別れ

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「な、準、聞いてる?」 不意に昔に気持ちがシフトしていた準は、ハッとして顔を上げる。 「あ、うん。確かに。店とか変わったよね」 「なんか悩み事でもあんのか?」 抄は、まっすぐに準を見た。 嘘を付くのは、苦手だし、嫌いだった。 「抄さん。あのさ」 「うん」 「もう、別れない?」 「え…」 抄は、持ち上げていたコーヒーカップをガチャリと皿に戻した。
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