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始まりはいつだって突然だ、こっちの都合なんか完全無視でやって来やがるんだ
あぁそうだいつだってそうだった。学校の抜き打ちテストとかその他諸々とか
そんな事を思いながら俺は辺りを見回していた
そこには俺を含めた男女五人と…
大 自 然
が広がっていたんですよってちょっと待てやコラ
「なんでこんなことに…」
俺はそんな事を思いながら少し前…そうだな…小一時間位前の事を思い出していた
――一時間と少し前――
俺は駅前で人を待っていた。彼女じゃあない。悲しいこと…でもないか
別に隣に誰かいて欲しいと思った事とかないしな
あぁすまない、少し話が逸れたな
待っていたのは友達…いや、家族と言った方が的確だな
『中島春樹』『金藤楓』『根元淳平』『高山薫』の四名だ
この四人とは小学校以前からの付き合いだ
…あぁ…今思えばこの時くらい一人で行動しときゃ良かったよ…
「悪ぃ悪ぃ、遅れた」
「………遅れた…ごめん」
この若干ガラの悪い青年が中島春樹、そしてその後ろで俯きながら謝っているのが金藤楓。口調から分かるように口数が異様に少ない
「遅い」
「悪いな、準備に手間取ってよ」
「イチドシネバ?」
「何故死なねばならないのか、何故片言なのか数時間に掛けてじっくりと問いただしたいんだが」
「……春樹…死んじゃやだ…」
「ん…まぁ冗談だ。実際はそこまで遅れちゃいない。それよりも淳平と薫はどうし…」
俺はそこまで言いかけて、やめた
向こう側の信号から超絶ダッシュでこちらに向かってくる男女二人が見えたからだ
とりあえずあれは一般人の学生に出せるスピードじゃねぇ、完璧にあの二人だな
「ごめんね師匠~薫が服が欲しい服が欲しいってごねて…」
「そこ!嘘吐かない!淳平が立ち読みしてたのが悪いんでしょ!」
「別に遅れちゃいないから良いさ…さて、全員揃ったし…行くか」
俺が後ろを振り返り、足を踏み出した瞬間…
ト ラ ッ ク
が突っ込んで来やがった訳だ
まぁ俺達も避けようとはしたんだがな、流石にあれは避けられんよ
そうして俺、いや、俺達の意識はブラックアウトした
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