いきなりです

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「ん…くっ…」 謎の倦怠感と共に目を開けて身体を起こす 周りを見渡すとそこは俺達がいた交差点では無く、真っ白で何もない、地に足付いてる感じがしない不思議な空間だった 「ここは…」 「ん…んん…」 俺に続いて薫も身体を起こす。長い髪をポニーテールで纏めた姿はいつ見ても姉さんと被る そういや姉さんに憧れてポニーテールにしたんだっけか… 「起きたか?」 「ん…?悠一?ここは…」 「さぁな、俺も今起きたんだ…とりあえず薫、そこの寝坊助共を起こしてくれ」 「あ、うん。分かった」 薫が他の三人を起こしている間、俺はある事を考えていた (俺達はあの時トラックに轢かれたはず…いやぶつかったと言った方が言いかもしれないが…) だとしたら生きているはずが…無いことも無いかも知れないが…可能性は低い 万が一生きていたとしてもこんなまったくの無傷とはいかないだろう 「だとしたら何故…俺達は…」 「知りたいかい?ここがどこか、君達がこれからどうなるのか…」 突如この真っ白空間に響き渡る声に反応し、咄嗟に身構える 淳平達も起きたようだ、春樹と淳平の二人は楓と薫を庇うように構える 「そんなに身構えないでよ、敵意はないから」 俺達の目の前の空間が歪み、そこから光る塊が出現する その塊は少しずつ形を変え、人の形になった しかし、普通の人間の形ではない。その背中には三対六枚の羽根を生やして… 「…春樹、淳平…あれ…何に見える?」 「「変質者」」 「いやいやいや!?なんで第一印象がそれなの!?こんな神々しい姿だよ!?神様だよ!か、み、さ、ま!」 「なる。変質者の神様…楓ちゃん、見ちゃダメだよ」 「……うん…悪霊退散…」 「違うから!そういう意味の神様じゃないから!悪霊退散させる側だから!」 …神様…?神様ってあれか?世界を作ったなんだとか言う… 「はい、そこの四人、分かってるとは思うがご一緒に。せーの」 「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」 俺達は始めて、神様と出会いました
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