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「で、結局何も起きないと」
カマキリ襲来から約一時間、起きたことと言えばあのカマキリの同族であろう奴等がチラチラと来たくらいか
「はぁ…しゃあない…起きろお前ら、そろそろ行くぞ」
寝ている四人の頭を軽く小突き、起こす
四人は酷く眠そうにしながらもなんとか身体を起こした
「…んぁ…」
「ここは…ん…?」
「………………………眠い……」
「良い朝…って訳でも無いね~…ここ何処よ?」
「川、木、巨大なカマキリ、頭良し」
「「「「まったく理解できない」」」」
だろうな、理解出来たらすげぇよ
「ま、細かい話は後だ。さっさとここを離れるぞ」
「なんで?ここ結構良いとこだよ?」
確かに空気は綺麗だし緑も多い、川の水なんかそのままでも飲めるだろうと言うほど澄みきっている
だが…
「猛獣の気配がする。狙われてるな、こりゃ」
「………あぁ…確かに…どうする?狩る?」
「……眠い…」
「はいはーい、楓ちゃんはこっち来ようね。私がおぶってあげよう」
「……ん…ありがと…」
楓は嬉しそうに微笑むとトテトテと薫に何故か真っ正面から抱き付いた
「本日もウチの紅二点は百合百合しいなオイ」
「ほっとけ、いつもの事だ。それより…」
「あぁ…無くなったな」
「食われたか…目標を変えたか…なんにせよ上位者って事は確かだね~」
「…無視だな。結構遠いが、街が見える。とりあえずあそこに行こうか」
「賛成だな。じゃ、行くか」
俺達は川を辿り、下に見える街に行くことにした
一方その頃
ある獣は考えていた。なぜこんな事になったのかと
確かに自分は獲物を狙っていたはず。久し振りの人間匹、一気に食い散らかしてやるつもりだった
なのにどういうことだろう?なぜ自分の身体はあんな所にあるのだ?そもそも何故首だけになっているんだ?
しかし考えても考えても答えは出ず、その内獣は考えることを止めた
「………………(´ヘ`;)ユダンモスキモアリャシナイ」
「………………(^ー^)ノゲンキデナー」
「………………ヽ(*`Д´)ノコイツメコイツメ!」
「やめなよ、セリエナ…ふふ、今回はサービスだよ。また今度会おうね、素敵な人間達…」
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