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朝5時、五月蝿い目覚まし時計が、今日も頭の上で鳴り響く。 私はそれを止め、壁に掛けてあるカレンダーを見た 今日は4月1日入学式だ。 私は身支度を整え寮を出た。 我が暁学園は世界でも指折りの敷地面積を誇り、幼稚園から大学まで一貫した超エリート校だ。 敷地内には校舎はもちろんのこと、完全寮制のための学生寮やショッピングモール、娯楽施設、病院や神社など有りとあらゆる施設が存在していて学生が自由に使っている。 中には一般解放をしている所もある。 私はいつものように、無駄に広い学園内を歩き校舎に向かった。 着いた頃には、時計の針は6時を刺していて、相変わらずの移動距離に溜め息を付き、生徒会室を目指した。 教室に入ると既に作業を始めている私の姉、高等部生徒会長の小鳥遊 子鳩が居た。 「あ、子瑠璃お早うございますぅ♪」 いつものように、だらし無く語尾を伸ばした喋り方で朝の挨拶をしてくる。 「お早うございます子鳩姉。」 私も、いつものように素っ気なく答えた。 「所で子瑠璃、今日はいよいよ入学式ですよぉ! 楽しみですねぇ、今年はどんな子が入って来るんでしょうかぁ♪」 頬を緩ませて楽しそうに話している。 「例年の如く各方面からですよ。」 そう、ここ暁学園は私立校だ、そのため入ってくる学生は、皆どこかで耳にしたことのある有名企業の子供や孫ばかりだ。 この莫大な敷地や施設の維持費が、全て賄えて要られるのはこのためである。 「それは分かってますよぉ・・・ そうではなくて『どんな子』が入ってくるかですぅ♪」 子鳩姉が何を言いたいのかは大体分かる、なにせうちは普通の学校では無いからだ。 妖学園・・・前誰かがそう言った。 ここに通っている生徒は全員、一部の例外なく一般人ではない、更に正確に言うと『普通の人間』では無いのだ。 妖怪、魔法使い、超能力者・・・そういった普通の学校には通うことの出来ない者が、お互い助け合い建てられた学校が、我が暁学園である。 勿論、私達も人間では無い。 「そんな事は式典が始まれば分かります。 今は無駄口を叩かないで手を動かして下さい。」 「夢が有りませんねぇ・・・」 「子鳩姉」 「分かりましたよぉ・・・」 私は溜め息をついた。
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