その国、伝説

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見渡す限り広がる砂は、飢えと渇きに支配された男の心をへし折るには、充分すぎる景色だった。 男は砂を踏みしめ、空を見上げた。 空では相変わらず体力を持て余した子供のように、太陽が凍てつく陽射しを降り注いでいた。 もう何年も雨どころか、雲さえ見ていないな と、男は思った。 雨さえ降れば俺は死ななくてすんだのかな… 男は歯を噛み締め その場に倒れた。
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