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一日目 『花崎ひより』始まりの日
みんなみんな死んじゃえばいいんだ。そしたら、私も安らかに死ねるというのに。
三年連続好きな人にフラれたからじゃない。
三年連続漢検3級を合格できなかったわけでもない。
三年連続違う友達と絶交して、最終的に一人になったわけでもない。
勉学なんてくだらないものに縛り付けられて、世の中を楽しく生きられないからだ。
なんて嫌な世の中だろう。
それならいっそのこと、みんな死んじゃえばいいんだ。
そしたら私も…安らかに死ねるのに。
学校の屋上から、くだらない愚民どもが暮らす街を、のうのうと眺めながら、私はこう呟いた。
「死にたい…」
「なら死ねば?」
「え?」
我ながら、アホっぽい声をあげながら、振り返ろうとした瞬間、私の体は空中に投げ出されていた。
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