7人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「あ。今日は全く進まないまま下校時間きちゃった…」
結局あの後、私は気にいらない部分をばしばし言っていき、委員長との口論の中全く進まないまま、今日の作業は終了した。
「んじゃ明日もやるからなるべくセリフ覚えてきてね…」
委員長は疲れ気味に教室を足速に去っていった。
「全く…一般公開だからと言って甘く作りおって。帰るぞ一条」
「うん!」
鞄を肩にかけてまま、私も足速に教室からでていった。
今日ぐらいは歩いて帰るか。
「ひよりちゃん」
「なんだ」
「今日はよらないの?」
「兄さんとこか?」
「うん」
「私をそんなブラコンと一緒にするな。だいたい兄さんも迷惑だろ」
「でも大丈夫なのかなぁ?」
「なんで」
「あの人からは、同性から好かれるオーラでてたから!」
「…」
「ちなみにひよりちゃんからも」
「ハァ…一条。私はお前がものすごい人物だといつも思い知らされるよ…」
一条の肩をポンと叩く。
「実はな…私達兄妹は呪われてるんだよ…」
「呪われてる?」
「そう。血筋でな…私の場合…何故か男性よりも…何よりも…女性に好かれてしまうんだよ…」
「へぇ」
「私も兄さんが心配だ。だがな。四六時中一緒にいるわけにもいかないから…あえてこうやってるんだ…」
「大変なんだね」
「もう慣れた…」
手を自分の横に戻し、また歩きだした。
どうか…神でもなんでもいいから…一条だけはそんな目で見てない子であらせてくれ…
最初のコメントを投稿しよう!