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「えっえぇぇぇっ!」
その言葉に過剰反応する私の身体。
布施さんから離れようとして、後ろにあったテーブルに思いっきり足をぶつけてしまった。
「いっ……たぁ…」
「お前な…そこまで拒否るなよ。
いくら俺でも傷付く」
ぶつけた足をうずくまって抱えていたら、頭上から弱気な布施さんらしくない言葉がふってきた。
傷付く…
やっぱり布施さんは私の行動で傷付いているんだ。
「あっ、ご、ごめんなさい…」
「謝んな。
俺が惨めになるだろうが」
「はい…すみませ…」
「お前な」
「うっ…えっと…」
「はぁ…」
ため息を一つはいて布施さんが起き上がったのか、ソファのギシッという音が鳴った。
下を向いているから、どんな顔をしているのかわからないけれど。
「足、大丈夫か?」
「は、はい…」
「…………」
「…………」
無言…
どうしよう。
私が意識しまくっちゃってるせいで、布施さんも困り果てている。
「おい…」
「あっ、はっ…はい!」
また過剰反応をしてしまった。
ただ、声をかけられだけなのにこの醜態。
こんなんでよく“布施さんと話をちゃんとしよう”なんて事、言えたと思う。
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