決断と時間

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私から話をする事なんて… 何もなかったんだ。 布施さんが、私の全てをわかってくれていた。 私が苦しまないように、深谷君の事だけを考えれるように… 自分さえ、我慢すればって… 「ふっ…」 生徒会室を出たらまた涙が流れてきた。 でも、すぐに拭いた。 口いっぱいに広がっている、甘酸っぱい味を噛み締めながら。 私はここで泣いちゃいけない。 だって、泣くんじゃなくって言わなきゃいけない言葉は一つだけ。 「ありがとう。布施さん…」 こんな私を好きになってくれて。 口の中でパイン飴を味わいながら、私は皆の待つ体育館倉庫に向かった。
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