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「ワォン!!」
「ル…ルック!待って…」
今日も相変わらずルックは元気。
上り坂、下り坂なんか関係ない。
いつまでも、どこまでも走り続けている。
「はっ、はぁ、はぁ…」
そして一向に発達しない私の運動神経と体力。
おかしいな…
これだけ毎日走っていれば、体力がついてもおかしくないのに。
いつも通い慣れた散歩コース。
散歩の時間はルックにとっていつもご機嫌。
でも、ある場所に来るとそのご機嫌はさらに大きなテンションになる。
そろそろその場所に到着する頃…
私も気合いを入れなきゃいけない。
ルックの足取りが軽くなり、短いシッポが勢い良くブンブンと振り始めた。
そろそろだ…
「あ…きゃぁぁ!」
構えていたにも関わらず、ルックのスタートダッシュに負けてリードに引っ張られた私の体。
あっ…地面へスローモーション…
転ける!!
「っと!あっぶね!!」
転ける!っと思った瞬間、日焼けした逞しい腕が私のお腹周りに絡みつき、私はギリギリの所でまた助けてもらった。
相手はもちろん…
「ありがとう…深谷君…」
「大丈夫か?ルックの奴、また力が強くなったんじゃねーの?」
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