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「多分…」
「気を付けろよ?」
「うん」
今日は水曜日。
私達がいつも会う約束をしている日。
深谷君は自主トレの走り込みをしている時に私達を見つけてくれたらしく、危なっかしい私を見て急いで駆け付けてくれたらしい。
助けてくれたのは嬉しいけれど…
いつまで腕、お腹に絡んでいるんだろう。
一応、ウエストとか気になる…
「あ、あの…深谷く…」
「ワン!ワンワンワン!!」
一際大っきい声をあげて、深谷君を見つけたルックはジャンプをして深谷君に飛び付いた。
ホッ…お腹から、腕、離れた…
「うぉっ!お前、こんな暑い中でも元気だな!
一緒に遊ぶか!」
「ワン!!」
ふふっ、本当に喋っているみたい。
ルックは深谷君の足元から離れなくて、歩きにくい深谷君は片手で軽々とルックを抱っこした。
「あっ、でも今日、深瀬んトコのお母さんに会いに行かなきゃいけないんだよな」
「う、うん…一応、そう伝えてる」
「悪いな、ルック。
あんまり遊べる時間ねーや」
犬は人間の声のトーンで感情を把握するっていう。
今の深谷君のトーンでよくないことだというのがわかったみたい。
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