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ホッとしたのか、目一杯の笑顔で私の返事に答えてくれた。
デート…
初めての、デート…
「ふふっ…」
「どうした?」
境内に続く道。
土と砂の音を鳴らしながら二人で歩く。
ルックも抱っこに飽きたのか、深谷君から下りて歩き出した。
「嬉しい、初デート」
ぽそっと呟いた本音。
深谷君に聞こえたかな…?
「…俺も」
聞こえていたみたい。
同じ気持ちだった。よかった…
二人で赤面しながら砂利道を歩き続けると、石畳が見えた。
ここが、深谷君と初めて会った場所…
ルックに連れて来られて…
あの時も転けた時、助けてもらったっけ。
「よし、遊ぶか!」
「ワン!!」
深谷君とルックはそのままいつものように遊び始めてしまった。
あの姿、初めて出会った時から変わっていないなぁ…
一目惚れした、あの瞬間から。
この神社で出会って、一目で恋に落ちて、喜んで、泣いて、苦しくて…
でも、やっぱり大好きで。
その気持ちだけはずっとあった。
もう、その大きさは出会った時の比じゃないくらいに。
この気持ちに逃げ出そうとした時もあったけれど、私には助けてくれた人がいた。
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