夢の余韻。

1/1
前へ
/15ページ
次へ

夢の余韻。

夢を見た。 君が、笑う夢を。 夢の中の君は、あの日と同じように笑ってて、それを見ているだけで僕は、自然と口元が緩むんだ。 夢を見た。 君が、泣く夢を。 夢の中の僕は、ただ寄り添う事しかできなくて、あの日と同じように、君の涙を止める事ができない。 君の笑顔も、泣き顔も、まるで水面を跳ねる陽の光のようで。 僕はただ見とれてた。 あの日と同じように、きらきらした君の、表情に。 目が覚めると外は雨。 むせかえる雨の匂いは君の余韻を消して。 ほころんでいた僕の顔は、雨音に濡れてただただ、白く。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加