生まれ落ちた夜の追憶。

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生まれ落ちた夜の追憶。

路地裏、そよぐ風、香る若葉。 群青色の空に縁取られた月光が、街の灯に融けてひとつになって。 初めて君に会ったのは、そんな夜。 初めから君は、君だった。 赦しの予感。確信。 それはどこからともなく押し寄せて。 都会の灯が隠した細やかな星のダイヤは、 君に会った瞬間に光を取り戻し、鮮やかに月を縁取る。 あの月をそっくり切り取って、目の前に差し出せたら、君はどんな顔をしただろう? 逆三日月はいつの間にか落ちて、 朝が来る頃に、やっと僕が始まる。 少しは君を、笑わせれるようになったのかな? もしも生まれ変わったら、次は君と血の繋がりが欲しい。 形は違えどそうすれば、ずっと側にいれるから。
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