2人が本棚に入れています
本棚に追加
生まれ落ちた夜の追憶。
路地裏、そよぐ風、香る若葉。
群青色の空に縁取られた月光が、街の灯に融けてひとつになって。
初めて君に会ったのは、そんな夜。
初めから君は、君だった。
赦しの予感。確信。
それはどこからともなく押し寄せて。
都会の灯が隠した細やかな星のダイヤは、
君に会った瞬間に光を取り戻し、鮮やかに月を縁取る。
あの月をそっくり切り取って、目の前に差し出せたら、君はどんな顔をしただろう?
逆三日月はいつの間にか落ちて、
朝が来る頃に、やっと僕が始まる。
少しは君を、笑わせれるようになったのかな?
もしも生まれ変わったら、次は君と血の繋がりが欲しい。
形は違えどそうすれば、ずっと側にいれるから。
最初のコメントを投稿しよう!