第1章

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「ふう……」 自室のベットに背中から倒れこんだ。 あれから長居するのも良くないと思ったのだけど、神崎さんたちに「仕事風景を見て行きなよ」と引き留められて見学させてもらった。 (俺できるかな……) ーー生活支援棟。 一ノ瀬さんから認知症の方が多いとは聞いていたから、覚悟はしていた。 けど同じ事を聞いてくるおばあちゃんへの対応をしてる川井さん(さっきの男性職員。帰り際に神崎さんが教えてくれた。)を見ていて、何となく不安になっていた。 深呼吸をして、ゆっくりと目を閉じる。 ……うん。大丈夫だ。不安になってても仕方ない。学べばいいんだ。それに神崎さんもいるし。 (いや待てよ、何で神崎さんが浮かんだんだ) しばらく考えたけど答えは出なかった。
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