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彼女と出会ったのは、高校を卒業した年の春だ。
就職を選んだ俺は、入職直前の説明を受けに事業所に来ていた。
「面接の時も思ったけど、18歳で介護やろうなんて偉いよね」
「俺、おじいちゃんおばあちゃんと話すの好きなんで」
「そっか。それなら大丈夫そうだね」
俺が配属される部署の担当者である一之瀬昴さんは、ほっとしたように笑った。
それから、簡単に1日の業務内容を教えてもらう。
「……とまあ説明はこんなところかな。何か分からない事ある?」
「現場に入ってみないと何とも言えないですね」
「それもそっか。じゃあ後でフロア覗いてみようか」
そんな話をしていると、コンコンとノック音がした。
どうぞ、と一之瀬さんが返事をすると同時に引き戸が開く。
入ってきたのは俺より少し年上くらいの女性だった。
「主任ー。外線だそうでーす」
眉間にシワを寄せて不機嫌丸出しだ。
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