霹靂を隠す者

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あの人が校長なのだろう。 それっぽい雰囲気を醸し出している。 「校長。さっきの─、連れてきました。」 担任が言う。 「君が魔晶石に亀裂を入れた生徒か。」 え?…弁償かっ!? 「亀裂って…あの時の音…そうだったんですね…」 「・・・なんだ、話を知らないのか。まぁいい。魔力測定時、君が魔力を込めた際に石に罅が入ったのだ。分かるかね?」 「…はい。」 「一般的な魔晶石に普通の魔力を込めた場合、そうはならんのだ。そこで、君をここに呼んだ訳だ。もう一度だけ石に魔力を込めてもらうよ。」 弁償の流れじゃないのか…良かった… 「僕に…僕の魔力が何か変だとか…?」 「それを今から確かめるのだよ。」 そう言って重厚な机の、その引き出しから、教室で使った物と見た感じ特に変わらない魔晶石を机の上へ取り出した。 「さぁ、教室の時と同じ様に魔力を込めるんだ。」 促されるが儘に机の上へ出された魔晶石 (話からして特別な物なのだろう) に一度目と同じ要領で込める。 …… 「…ぃぞ。─…もういいぞ。 …早速なのだが、君は2属性持ちだ。それも、100年振りのな。」 なんだか、途轍もないことを言われた気がする…
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