霹靂を隠す者

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「行ってきます」 そう、誰もいない家の玄関から言う。 これは癖だ。 ────  春から新しい日常を満喫する為、死ぬほど(比喩)勉強して、やっとの想いで合格を果たした僕、、名前は 〝枠囲 碧(ワクイ ヘキ)だ。〟 そして、、、今日が入学式で ここ、私立春夏冬(アキレス)魔法学院に入学する。 少しふざけた名前だが魔法の勉強が出来て尚且つ、近いのでここを選んだ。 家を出て、徒歩15分 道程に踏切などは無く、大した障害も無い 程好い距離に学校はある。 学校門の前には今日入学だろう同学年の親御さんらしき人達がずらりと並んでいた。 まぁ、ありがちな光景を一瞥し校門を潜ると、外の喧騒が聴こえなくなり、同時に人の姿も見えなくもなる。 「スゲェ…魔法で見えないのか…」 と、思わず感嘆の言葉を洩らしてしまう 後に入ってきた奴等もそれに気付いたらしく、足を止めて色々と言葉を洩らす。 外と内──魔法の境界にある門の下から見るとどう見えるんだ? そんな疑問を晴らしたいが、実は今、結構ギリギリの時間帯。 確かめるのは諦めて、入学生一同が集まっているはずの体育館:兼:魔法訓練ドームに向かうとしよう。
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