召喚の儀

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『(ソレで良い。帰る前にダ、我ハ〝クラストゴーレム〟名ヲ、 〝ゲス〟guess…)』 「(ゲ↑ス↓な、了解! 次、喚ぶ時は?)」 『(名を、ゲス ダ。然ラばだ、主ヨ。)』 ・・・ 「ふぅ… 終わったぞ~…」 大丈夫ではなさそうだ。 足元がふらついているし、顔色が好くない。体力と魔力を大分、消耗したと言えるかも… けども、一応… 「大丈夫?」 !? 声掛けた?! いつの間にか戻ってきてた暇ちゃんが、覚束無い足取りのシカメに声を? いやいや、きっと立ちっぱなしの躄に言ったに違いない。 「ノーセンキュー!大丈夫だって!ほら、元気元気!活力に満ち溢れてるぜ!」 「ふ~ん、だったら報告してきたら? 私は躄の召喚見るのに忙しいから。」 「ぅぬぉ、おう!」 今気付いたよ。 暇ちゃんは、僕の事だけが嫌いみたいだ。。… それと、僕の儀式は最後に決定したらしい。 理不尽というか不条理というか…一方的に嫌われる身にもなってほしい… 「(アオイ、ちょっと肩貸して…やっぱ歩くの辛いわ…」 僕も召喚見たいんだけどな… 「先生の所まででいい?」 「んー、時間終わるギリギリまで休憩しとく。」 「分かった。はい。」 怠そうに左腕を僕の首に回し、鬱陶しい溜め息を真横で吐く。 「低いな。逆に疲れそう。」 「煩いな。速く行くよ。」 のそのそと歩く二人(僕達)を第三者から見るとどう写ってる? 隣で息を荒くし、心成しか体温が高い気がするシカメ。 熱があるのかもしれないが、周りから見ると、何だかダメなやつだ。
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