悪巧み

4/27
前へ
/120ページ
次へ
教室に到着。した瞬間思い出す。 あ、トイレの個室に… 行こう、対処しないと。 教室に片足を突っ込んで直ぐ硬直したかと思うと、逆再生の如く後退し何処かへと走り去っていく。 端から見ると芸の練習か何かとでも思われているのかもしれない。 大丈夫か?まだ、誰にもバレ…見付かってないか? ・・・ ふぅ、到着。(直ぐ隣と言えるほど近く) よし、誰もいない。 あいつは…… ちゃんと居た… まだ寝てる… 拘束解いてと… 「ねぇ、起きないと蒸しタオル顔に乗せるよー!」 「・・・へ?武下折夏?んあぁ~…ぁ~ん…イテ…ん… ど…トイレ?あれ?何でこんな所に…」 「覚えてる?」 「…え?いや、何でトイレ?」 覚えていないらしい。これは好都合だ。 「2時間前に停電があったんだけど。君、トイレの個室に閉じ込められてたんだよ?覚えてない?」 学校の発電機が止まって10分ほどの間、何らかの異常で扉が開かなくなっていたという体で。 鍵は個室内部の魔力反応と電磁石依存。 「マジで!? …あれ、でも何で寝てたんだ…」 「さあ? まぁ、それは兎も角、教室戻ろう。他の皆はもう戻ってるから。」 「あぉ…おう。…トイレか…言えねぇ…」 …よし!計画通り!! こいつの性格だ。 教室に戻って皆に停電の話を訊きたいだろうけど、一番最後に戻ってきたから、訊けば聞き返されると考えるはず! 恥ずかしくてトイレで寝てただなんて言えないはず! 憶測だ!
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加