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教室に到着。した瞬間思い出す。
あ、トイレの個室に… 行こう、対処しないと。
教室に片足を突っ込んで直ぐ硬直したかと思うと、逆再生の如く後退し何処かへと走り去っていく。
端から見ると芸の練習か何かとでも思われているのかもしれない。
大丈夫か?まだ、誰にもバレ…見付かってないか?
・・・
ふぅ、到着。(直ぐ隣と言えるほど近く)
よし、誰もいない。
あいつは…… ちゃんと居た…
まだ寝てる… 拘束解いてと…
「ねぇ、起きないと蒸しタオル顔に乗せるよー!」
「・・・へ?武下折夏?んあぁ~…ぁ~ん…イテ…ん… ど…トイレ?あれ?何でこんな所に…」
「覚えてる?」
「…え?いや、何でトイレ?」
覚えていないらしい。これは好都合だ。
「2時間前に停電があったんだけど。君、トイレの個室に閉じ込められてたんだよ?覚えてない?」
学校の発電機が止まって10分ほどの間、何らかの異常で扉が開かなくなっていたという体で。
鍵は個室内部の魔力反応と電磁石依存。
「マジで!? …あれ、でも何で寝てたんだ…」
「さあ? まぁ、それは兎も角、教室戻ろう。他の皆はもう戻ってるから。」
「あぉ…おう。…トイレか…言えねぇ…」
…よし!計画通り!!
こいつの性格だ。
教室に戻って皆に停電の話を訊きたいだろうけど、一番最後に戻ってきたから、訊けば聞き返されると考えるはず!
恥ずかしくてトイレで寝てただなんて言えないはず!
憶測だ!
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