悪巧み

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それの説明が終わった頃に教室の扉が開かれて、ゆっくりと男子生徒が入ってきた。 その男子生徒は、怠そうに僕の前の席に着席し、おっさんの如く溜め息を吐く。… まぁ、鹿目な訳だが。 「保健の先生にさぁ、小瓶に入った青い液体のカプセル飲まされた。疲れは取れたんだよ。 魔力も回復した気がする。」 「じゃあ、どうして怠そうなのか。って訊いてほしいの?」 「そう、保健の先生といったらさ…スタイル良くて、人妻っぽい雰囲気纏ってて、エロスでアガペーで男を虜に…──」 偏り過ぎててダメだこいつ… まぁ、多分、小太りの中年のおっさんが保健の先生だったんだろうな。… 「──…でさ、寝てたら声が聞こえてきたんだよ… 美人だった。胸はなかったけど他はなかなかだったんだって…」 「じゃあ、どうしてそんなに疲れた感を出してるの?」 「ニューハーフだった。下は付いてるらしい。整形とか魔法で見た目作ってないらしい。化粧だけらしい。…声可愛かった。ハァ…」 そっちに興味あるの? と、訊いてみたいが、半笑いを抑える自信がない。 ここは… 「なんだろ?鹿目の顔が心成しか眩しい。」 「はあ!?なん、ちょ!ムワァァアア!!」 ・・・ノーコメント。 「おい!戻って早々、喧しいぞ!体は大丈夫でも、頭がおかしいのか!」 いや、おい先生、毒舌が過ぎるぞ… 弁明するべきか…? 「先生、鹿目は保健室で薬を飲んだそうです。多分その副作用だと思います。」 「あぁ、そうか…成る程。」 納得しちゃったよ…
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