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暖蜜姫の物語
平成26年2月8日、零時零分、広島県、某所――、南部の呉市にしては珍しく7日の朝から雪が降った、
その前の6日は大雨が降り、
僕の気分は鬱だった、23時から始まる金曜ドラマ、私の嫌いな探偵をぼんやりと見ていたのだが、
愛用していたストーブの火が消えた。
急に背筋が氷を押し当てられたようにゾクリと冷やくなり、全身に鳥肌がたち、手が震え出した。
嘘だろ?
ぼ、僕のストーブ!
お願いだ、今日だけでも点いてくれ!
ストーブ!
ストーブ!
殺人的な睡魔に襲われながらも、僕は何度もストーブを叩き、揺すり、そして、擦った。
然し、ストーブは死んだように冷たく、ウンともスンとも言わない…、
ストーブが逝った。
僕を寒い部屋に残した儘、
ストーブが壊れた。
僕の精神も壊れかけた。
そんな時、ドアホンが鳴った。
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