暖蜜姫の物語

7/8
前へ
/8ページ
次へ
 翌朝、部屋に仰向けの状態で目が覚めた、  昨日、奇行を繰り返した彼女の姿が見当たらない、ひょっとして僕が眠っている間に出ていってしまったのか?  それとも、  僕はあの儘、本当に逝ってしまって、天国に送られたのだろうか?  その証拠に、昨日まで家にあったストーブが無い。  然し、僕は呼吸も出来、脈も動いている、それに躯が凄く暖かい。  ひょっとしたら、一昨日以前の所から全て夢幻で、僕はずっと仰向けで寝ていたのか?  質の悪い夢魔にうなされていたのだろうか?  夢の中で殺される所だったのだろうか?  若しくは、僕が暖まるものが欲しいと願ったが故に、幻覚を視たのだろうか?  よく判らないが、こういう仮説なら、納得が行くかも知れない。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加