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「はぁ~…疲れたぁ…」
って言っても今から洗濯やら夕食の用意やらやらなきゃいけないんだけど…。
私は自分の部屋でそんな事を考えていたらドアをノックされる。
「神崎くん?」
「おぉ」
「入っていーよ?」
「いや、このままで…今日、お袋が親父がぶっ倒れたとかで月曜日まで戻んないってさ」
「ええっ!?じゃあ、今日から全部私一人でしなきゃいけないの!?」
うぇ…三日も…。
「俺も手伝うからさ…」
ドア越しでも苦笑いする神崎くんの顔が頭に浮かぶ。
「お父さん大丈夫なの?」
私は一度もあった事がないけどね。
「さあ?まあ、何かありゃ連絡あるだろ」
「アバウト…」
「それより、買い出し行かなきゃ夕食も作れねえぞ?」
「あぁ…じゃあ、私行くよ」
疲れた体を起き上がらせると神崎くんはすごい事をフツーに言う。
「いや、荷物多分多くなるから二人で行くぞ」
「………」
え?ええっ!!?ふ、二人でお買い物?!そりゃあ、してみたい!って思ってたけど!。
「聞いてる?」
「き、聞いてるよ!!」
「どうした?」
「どうもしてない!!」
「んじゃ、リビングで待ってるからな」
足音に耳を澄まして、居なくなると「はぁ…」とため息を吐く。
「やっぱり…好き…なのかなぁ…私」
そもそも、お母さんもお買い物くらい行っててよ…神崎くんと二人っきりで…二人っきり?。
「…今日は金曜日です、お母さんが帰ってくるのは月曜日です、それまでこの家の住民は…私と神崎くんだけ…にゃあぁぁあぁ!!?意識したらすごい恥ずかしいッ!!!!」
「一人でも騒がしいヤツだな…」
リビングで神崎くんがそんな事を呟いていた。
「ど、どうしよう…!多分、神崎くんは無関心だろうけど…!と、とにかく、お買い物行ってからにしよ、神崎くん待たせてるし」
財布と携帯と…これくらいでいっか…よし!。
部屋を出て、リビングに降りていく。
「用意出来たよ?」
「なら、行くか」
うわ…神崎くん私服だ…私も着替えればよかった…。
「はぁ…ファッション解んないんだよね」
「ファッション?俺も解んねえよ?なんか変か?適当に着たんだけど」
「ッ!?へ、変じゃないと思う…かっ、かっこいいよ」
「マジで?お世辞でも嬉しい事あんだな」
お世辞じゃないんだけどな…。
「んじゃ、お返しに…利沙も可愛いぞ?」
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