初めての休日

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神崎くんに「可愛い」と言われた瞬間に全身がボワァッと熱くなる。 「か、可愛いとか言わないでよ!!?ばかッ!」 人の気も知らないで……けど、例え私が言った事のお返しでも純粋に嬉しくて堪らないのは嘘じゃない…。 「ひっでえ」 「ひ、ひどくないし!」 「可愛い、っつっただけじゃん」 「わあああッ!!?言わないでってばあッ!!!!」 「その仕草は天然なの?」 「天然に決まってるじゃん!」 「なら、可愛い」 「かわっ…!?し、知らないッ!」 近くにあった本を神崎くんに向かって投げると反応して受け止める。 「うおっ!?あっぶね…怒んなよ、茶化したのは謝るから」 「女の子にそんな事言うとね、誤解するんだよ!!」 「…利沙も?」 「そ、そうだよ…私も可愛いなんて言われたら誤解するもん…」 「ふぅん…」 「し、してもいいの?しちゃうよ?ふざけてると…」 私が言うと神崎くんは驚いたように私を見る。 解ってます…解ってますよ…。 「わ、悪かったって…」 「ならいーよ…」 ごめんね?神崎くん…こうしなきゃね、私我慢出来ないの…。 「喜ぶと思ったんだけどなぁ…」 「!」 あはは、喜び過ぎてあんな態度取っちゃったんだよ?。 「買い出し、行こ?」 「へーい」 神崎くん…私の事、どう思ってるの?やっぱりまだ嫌い?私は神崎くんに一目惚れだったよ? 嫌っていても優しいのも 施設に居た理由を聞かないで置いてくれるのも たまに微笑んでくれるのも 全部、一目惚れでした。
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