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俺は平凡で平均的な普通なる凡人。
そう自負してる。結果もある。聞くか?
中学時代は一年一学期から三年三学期まで、成績はオール3で偏差値50だ。部活にも入らず、委員会もモブであった。
外見もいたって普通で、モテもしないし、避けられもしない顔。
身長体重共に16歳男子の平均とほぼ同じ、考え方も至って一般人的だと思う。
高校生になってもあまり変わらない。このまま変わらず、平坦な毎日を過ごすのが一番だ。
そんなこんなでもの更けてたら教壇から声が飛んでくる。
「平均点は74点だ!」
手元の紙の点数を確認する。
74
平均点ぴったし。このテストで最後のテスト返還だ。ここの学校に恨みはないが、すまない、全てのテストが平均点だ。
「では、みな、これからの学校生活頑張るように!」
担任の先生……、名前忘れたな。鈴木とか佐藤みたいな普通な名字だったはずだ。俺みたいな二田
ふただ
って名字よりかは全然多い。
「さて帰るか」
独り言を呟き、そそくさと帰ろうとするが、首根っこを捕まれ阻止される。
「待てよ、通」
「なんだよ、橋倉」
体勢を崩していたので、立て直しつつはねのける。
「橋倉って、呼ぶのやめろよ。優斗って呼べよ」
「お前は俺より優れてないだろ」
あきれながら言うものの……。
「おお、俺はバカだぜ!」
こいつアホでバカだった。
中学からの友達であるこの橋倉優斗。バカでバカでバカの三拍子だ。まあ、そんなところが長所でもあるんだがな。
「私も一緒に帰るわ」
そう声をかけてきたのは、一人のクラスの女子であった。
「なんだ。結衣か」
「よ、真田」
「なんだ、とは何よ。コレでも私はクラス委員長なのよ」
怒りながら橋倉に迫る。一緒にツインテールがゆれ、胸も揺れる。やっぱ大きいな。
「でも、結衣ってところどころ抜けてるよなー」
全くもってその通りだ。何もないところでコケたりするからな。こいつ。
「あんたはアホ丸出しでしょ!」
異論はない。
「もっと大人っぽい髪型にすれば?」
「た、例えば、何よ」
それは俺も気になるな。しょーもないことだろうが、気になる。聞かせてみろ。
「ドリルとか!」
やはりこいつ馬鹿だ。真面目に聞こうとした俺が間違ってたな。
「そんなのお嬢様とかぐらいしかでしょ! それにツインテールは……」
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