第2話

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ガラッと目の前のドアが開いた。 「どおぞ。これからはレディの部屋を開ける時はノックを忘れずね!」 真っ赤な顔してツンと言う真城さん…… 赤いTシャツを着ていた。 「は、はい……気をつけます……」 僕は病室に足を踏み入れる。 まだ心臓はドクンドクンと強い脈をうっていた。 「あ……着替え……昨日真城さんのご両親が持ってきたんだね…ハハハ…」 なぜか笑ってみる……笑うところじゃないのに…… 「ううん……お兄ちゃんが……両親は海外に行ってるから来れないんだ……」 「え……」 ギクッと胸が鳴る…… 昨日はそんな話してなかった…… まさかもう記憶が戻ったのか……と…… 「記憶……戻った…の?」 まずい…… これから僕は君の彼氏じゃない…て、話すつもりだったのに、もう記憶が戻ったなら、昨日の僕の嘘は弁解できず、僕はただの嘘つきくそ野郎となってしまう…… ベッドに座る真城さんを見る…… 「うん……少しずつね」 「少し…ずつ?」 「完全じゃないんだ……君とのことがどうしても思い出せないんだ……」 シュン……と下を向いて膝を抱える…… なぜだろう……真城さんの寂しそうな顔を見ると胸がキュンとする…… 「あ、それはね……」 僕は君の彼氏じゃないからだよ…… と言おうとして…… 「ね!」 ガバッと真城さんが顔をあげて僕を見た。
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