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『死ね。今すぐ死ね。死んでくれ』
電話の向こうで良太が静かに怒っていた……
「だ、だってお前だろ?今のうちに彼氏だからできることやっておけって言ったのはっ!!」
『バカヤロ!!あれは建て前だ!!お前が悩んでるようだから、少しでも悩みを軽くしてやろうと思って……まさかお前がキスまでやるとは……内気だから大丈夫と油断してたよ……これからはお前のこと羊の皮を被ったティラノザウルスと呼んでやろう』
「べ、別にしようと思ってしたんじゃない!!ただ流れ的に……その……しちゃったと言うか……」
夜9時……僕は良太に相談していた……
今日こそ本当のこと言うつもりだったのに、キスまでしてさらに深くハマッてしまったことを説明し、これからどうしよう?と……
『もう本当にどうしようもね~だろが!!お前は退路を自分の手で消したんだ!進むんだよ!前に!嫌われたくないなら行け!お前色に染めろ、真っ白な真城結衣を紫色に染めろ!村崎佑!』
「僕…色……」
良太に染めろと言われると、胸が、真城さんとキスした時と同じくらいドキドキと音を鳴らす……
『お前、記憶が無いことをいいことにキスまでしたんだぞ?これで記憶が真城に戻ったらとんでもないことになるぞ!?下手をすれば犯罪者として訴えられてもおかしくない!!』
「そ、それは困る!!」
犯罪者………
僕の頭の上にズン!と落ちてくる。
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