第2話

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次の日は日曜日で真城さんの退院の日だった。 僕は退院する10時に真城さんを迎えに行く。 病室のドアの前で立ち止まる。 「……これ……いきなり開けたら…また昨日みたく上半身裸で……てことはないよな?」 思い出す昨日のこと…… 真城結衣の裸は見れるし、キスはできるし…… なんか僕って幸せじゃね? 今一番運がいいんじゃね? 考えてみれば、おみくじ消しゴムで大吉を引いてからずっと運がいいような…… 真城さんは大凶だったけど…… 「と、とりあえず僕色に染めるんだ……絶対に!」 僕は覚悟を決めると、グビッとツバを飲んで、顔をあげた。 「よし!行くぞ!」 ガラッとノック無しでドアを開ける。 「結衣ー!退院おめでとう!迎えに来た………よ……」 「ああん?」 ベッドの側の椅子に座っていた男が振り向いた。 金髪の頭、つり上がった眼、盛り上がった胸板…… 「え……?」 見るからに強そうな男に、僕の顔から汗が噴き出る…… 「す、す、す、すみません!病室間違いました!」 何度も頭を下げて逃げるように病室を飛び出る僕。 ピシャリ!と病室のドアを閉めた後、ドアに書かれている名前を見る。 『311号室・真城結衣』 「ま、間違いなく真城さんの部屋だよな……?」 呟いたのと同時にドアがガラッと開いて金髪の頭が顔を出す。 「おい」 「は、はひっ!!」 「お前……結衣のなんだ?」 「…………………」 お前こそ誰だよ! とは言えず、震えながら金髪の男を見る僕だった…… 第2話…完
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