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頭に包帯を巻いた真城さん……
運ばれた病室のベッドの上で顔を真っ赤にしている。
枕の下から1枚の写真を出すと僕に両手で差し出してくる。
「これ……」
写真は僕の寝顔だった。
僕の学生服のポケットに入れておいたはずの写真がなぜ真城さんが?
頭に「?」がいっぱい浮かぶ。
そして……お昼に購買部でパンを買おうとして、身体の大きいタラコ唇の男に突き飛ばされたことを思い出す。
「あの時か……落としたんだ…これ…」
小さくつぶやく。
しかし…なんで真城さんが?
真城さんを見ると、真っ赤な顔で僕を見ていた。
まるで……「彼氏なんですか?違うんですか?」と問うように………
「こ、こんな写真持ってるくらいだから、きっと、その……深い仲…なのかな…て思って…」
「え?こんな写真て……」
顔をますます赤くさせる真城さんの言葉にもう一度写真の僕を見る。
普通の寝顔だ……
「だ、だって、それ…寝顔ですよ?」
「ですね……」
何をそんなに顔を真っ赤にしてるのか判らない僕……
「と、言うことは、その写真を撮影した人は、あなたと一緒にいた…てことだよね?」
「!?」
そうか……
写真には僕の部屋の僕のベッドが写ってる。
つまり……この写真を撮るには肉親以外だと……
そうとう深い仲の人じゃないと無理だと言うことになる。
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