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「私…私………なんてこと……全然思い出さないなんて……大切な人なのに……」
「あ、いや、だからね……」
苦笑いの僕だが、だんだん笑えなくなる……
「だってベッドの上で写真を撮る仲ですよ!なのに……なのに~」
「え……」
ついに真城さんは「うわ~ん」と声をあげ泣き出してしまった。
「ち、ちょ…!?違う!違うから!」
「なにが…違うの~わ~ん」
「いや、だからね、彼氏じゃないの僕!この写真も真城さんが撮ったんじゃなく、僕の姉ちゃんがね……」
すると真城さんはピタッと泣き止んで僕を見る。
「彼氏…じゃないの?」
「うん。だから真城さんが僕のこと覚えていなくたって全然いいの」
……言っていて自分が少し悲しい……
つか、全然覚えてないって、それはつまり僕の影が薄いから普段から印象が無い……てことでしょ?
まあ、しかし、そんなことは慣れている!
僕が今まで告白してきた女子には全員に「村崎くんのことよく知らない」と断られてきたんだから!
ハーハハハハ!僕は影が薄いんだー♪
「……………………」
「ど、どうしたの?なんか今度はあなたが泣きそうになってるみたいだけど……」
「いや……少し…自分が不憫に感じられただけ……」
目頭を押さえる僕。
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