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「とにかくね、真城さんは気にしなくていいんだよ。すぐに記憶も戻るだろうし、だから涙拭いて……はい」
僕は制服のポケットからハンカチを出すと真城さんに渡す。
「ありがとう……」
クスッと笑うと僕のハンカチを受け取り、涙を拭く……
「優しいね……私が気にしないように嘘ついてくれてるんでしょ?」
「…………え?」
なんだ?なんか話、振り出しに戻ってない?
「なんとなく判るんだ……記憶失う前の私……なんであなたと付き合ってるのか……」
てか!付き合ってないから!!
「あ、いや、だから、だからね……」
「優しいから……嘘ついて私を傷付けないようにしてる……そうなんでしょ?」
「いや!だから、嘘じゃなく……」
ヤバイ……本当に冗談じゃ済まなくなってきた……
「嘘……じゃない…の?」
!?
不安そうな瞳で僕を見る真城さんにドキッ!と胸が鳴った……
なんだよ?その眼は……
嘘じゃない……と言われるのが嫌なのか?
ドキ、ドキ、ドキ、ドキ……
さっきから僕の胸の音もうるさい……
なんだ?
この胸のドキドキ……
「私の…彼氏じゃないの?」
涙が溜まった瞳で僕を見る真城さん……
キュン……と更に僕の胸が締まる……
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