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彼氏じゃない……
本当のことを言わなきゃ!
けど……
「か、彼氏じゃ……な…………」
なぜか言葉が詰まる……
言いたくない……
彼氏じゃない…と言ってしまえば、またいつもの僕と真城さんに戻ってしまうんだ……
片や生徒会長でみんなの憧れの的の真城結衣……
片や、目立たなくて、友達の少ない僕……
そんな……交わることない二人が、今は二人だけで病室にいる……
そして真城さんは僕のことを彼氏……と思ってる…
仮だけど、あの真城結衣の彼氏でいるんだ今は……
「…………」
ジッーと僕を見る真城さん……
カワイイ……
ふと、冷静になれる……
そう、真城さんはカワイイし、頭も良いし、運動も抜群……僕とは違うんだ……
僕なんかがつり合う相手じゃない……
「僕はね……」
ただのクラスメート……と言おうとした瞬間、頭に良太の言葉が響いた。
「お前の色に染めろ!佑!」
!?
そうだ……今の真城さんは記憶喪失……
言わば真っ白なキャンバス……
確かに普段の真城さんと僕じゃあ、つり合わないけど、今の真城さんなら……
まるで悪魔が降りてきたように僕の頭に次々と言い訳が浮かぶ。
僕色に……してしまえば……
その時!村崎佑に一筋の閃光!!(ナレーションカイジ風に)
「僕色に……染めちゃえ……」
ざわざわ……
僕の頭に悪魔的思考が閃いた。
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