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「んだよやっかましいなぁ……」
スタックはサルのように頭をかきながらのっそり起き上がった。
「この枕……シラミだらけだぜ……かいいぃ……」
彼女はいつもの習慣で作業ズボンのサイドポケットに手をやった。
しかし残念ながらタバコもマッチも入っていない。
「レンガ壁は55×80……二人分の力なら……」
レヴィは邪悪に笑う。
「スタック!お前、そろそろヤニが切れてイラついてきただろう」
「……ああ、だいぶな」
「さっきわかったんだがな、隣に別の収監者がいるんだ」
「あそ……だからなんだよ」
「そいつがタバコを1カートン持ってるぞ」
「なに!?」
「そいつがな、この壁の右から24個目、上から18個目のレンガを叩き割りゃあ全部くれてやるとよ」
「……よっしゃあ!気合い入れていこぉか!!」
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