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俺がいるのは、絵に描いたような夜の街だった。
学生の頃からずっと夜の空気に惹かれて、夜遊びは常に俺の人生に寄り添っている。
だから俺は、この街のことなら大体のことを知っているんだ。
飲める場所がひしめき合うように存在しているこの街で、男女の色事など珍しくもない。
俺だって、今までこの街で何度も夜を飾ってきた。
だから、酔っていい雰囲気になった男と女が、どっちの方向に歩いていけばすべてを満たしても構わない──そんな場所にたどり着けるかなんて、判ってるんだよ。
何を満たすかなんてのは組み合わせにもよるんだろうが、だいたいその目的は同じだ。
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