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もみ合った末、ようやく操を振りほどいた。
必死だったせいか、力任せに彼女の身体を突き飛ばしてしまう。
操の身体が欄干に軽くぶつかった。
「いた……」
操は顔を歪め、泣きながら俺を見る。
一瞬、突き飛ばしたことを謝るべきか悩んでしまった。
わざとやったなら、絶対に謝らないけど。
「言ったでしょ、ずっと悩んでたんだから」
「……それにしても、言い方と態度どうにかなんなかったのかよ。今も、お前ぶっ殺そうかってくらい、頭に来てるんだけど」
「ゴメン……でも、本当にいっぱい考えたのよ。木島には軽い方がいいのかなって……ごめん、なさい……」
「そう思わせた責任でも取れってか」
「そういう意味じゃないけど」
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