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「……っふー……」
とりあえず、いったん身体の中に入れた煙を吐き出す。
白い煙はゆらゆらと揺れながら登っていく。
俺と操の間に。
風が冷たすぎて、外であれ以上の立ち話は辛い……ってことで適当にそこらのカフェに入った。
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
梓と操はお互い面識がある。
俺の後輩ということは、操の後輩でもあるんだから。
別れた妻と偶然出会って、立ち話。
誰にも咎められることはない。
だが梓と操の間に、妙な空気が流れた。
操が遠慮なく散らす火花。そこにある戦意のようなものに、梓は受けて立った。
──というか、ちょっと面白がってたんじゃないかと思う。
そんな俗な女じゃないと思ってたけど、やはり時間の流れは女をどうにでも変えていくものらしい。
引きつったような操の笑顔に、梓は満面の微笑みで挨拶をした。
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