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「泣き止むまでは付き合ってあげるけど、気が済んだら出てって」
「木島さん……なんで……なんで」
「俺のこと疑ってたんだろ?
なんで俺に訊かないで、他の男と寝るとかいう発想になるわけ。
当てつけにしても、俺が浮気認めてからじゃない?
悪いけど全然意味判らない」
「だって、不安で……」
「まあ、今さら何言っても後の祭り。
許さないよ。ナメてかかってたんだろうけど、
俺、そんな甘くないから」
「木島さん、やだ、木島さん……!」
手を伸ばして縋ろうとする唯の手を、あっけなく振り払う。
「触らないで。殴られないだけマシと思って、俺がキレないうちに帰れよ」
「……!」
びっくりして涙が止まったらしい唯は、慌てて後退する。
……ほらな。その程度なんだよ。
俺も、唯も。
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