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ひどく投げやりになっている自分を感じて、薄い笑いが浮かんでくる。
自分の倫理観とか誠意とかってものが、よく判らなくなってきた。
これを言った瞬間自分にブーメランして帰ってくるのは判っている。
でも確認せざるを得ない。
「俺、股がけする女嫌い。帰ってくれる」
言った瞬間、サックリと自分の首まで切られた気分になる。
若いときは気付かなくて、よく無意識に人を傷付けたもんだ。
だからと言って、今は判って言ってるからマシだろ……なんて勝手なことも考えてない。
でも、それらをすべて考慮していたら、最後には貝になるしかなくなる。
ただの自分勝手でも、どうしても言わなければならないことはある。
「木島さん……こそ……」
震える唯の声で、もう泣き出していることが判る。
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