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冬休み明けの一月中旬。
桜井秋帆は、数週間ぶりに会うクラスメイト達に、満面の笑みを浮かべながら話しかけた。
「おっはよー!」
クラスメイト達は、男女関係なく口々に返答する。
「おはよ」
「久しぶりー」
「あけおめー!」
一つ一つに返事をしながら自分の席に荷物を置き、一息つく。
すると、秋帆の頭に手を置き、話しかける人物がいた。
「あけおめ、秋帆」
「あ、渚夜!あけおめー!」
秋帆の、クラスの中で一番の親友である坂本渚夜が笑いかける。
「冬休み中もずっとメールとかしてたから“久しぶり”ってのは、なんか違う気がするんだよな」
「そうだねぇ。寝るとき以外はほとんどメールしてたもんね」
「何回か、どこかの誰かさんがテレビ電話までしてきたしな」
「あれはやってみたかったんだよ!」
「なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
苦笑交じりで渚夜が聞くと、秋帆は話をそらすようにして言う。
「あと、クリスマスには一緒に出掛けたしね!あれは、楽しかったなぁ・・・・・・」
秋帆はその日の事を思い出しているのか、どこか遠くを見つめているような瞳になった。
それを見て渚夜も微笑みながらクリスマスの日のことを思い出す。
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