第3話

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着替えを終えリビングに戻った私を見て、蓮さんは一瞬目をまるくしたけど 「それも可愛いじゃん」 と、言ってくれた。 だけど、また爆笑していたからこの言葉も社交辞令に違いないと思う。 普段、出掛ける時と殆ど変わらない格好の蓮さんに 「そんなに薄着だったら凍死するよ」 って、教えてあげたのに 「凍死する程寒くねぇーよ」 って、また笑われた。 やっぱり蓮さんは寒さの恐怖を分かっていないらしい。 しかも 「寒くて死にそうな時にはお前がいるし」 って、私を見るので 「私の服は貸せないから!!」 そう断言したら 「誰もお前の服を貸りようなんて思ってねぇーよ。第一、サイズが違い過ぎて着 れねぇーだろーが」 って、呆れ果てたように言われて、そう言われてみれば確かにそうだと妙に納得してしまった。 ……じゃあ、蓮さんは私に一体なにを求めているんだろう? 一応、確認の為に聞いておこうかと思ったけど 「行くぞ」 蓮さんの声に ……まぁ、いいか。 私は、早々に諦めた。
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