第3話

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◆◆◆◆◆ マンションのエントランスを抜け外に出た瞬間 「さむっ!!」 私のロからその言葉が飛び出した。 冷えきった空気が肌を突き刺し、どんどん体温が奪われていくような気がする。 小さく身震いをした私は隣にいる蓮さんにピッタリとくっついた。 そんな私に気付いたらしい蓮さんは、腕を私の首の後ろにまわし肩を抱くと私の身体をぐいっと抱き寄せた。 奪われ続けていた体温が蓮さんの体温でゆっくりと上昇していくような気がして 「……あたたかい」 思わず呟くと 「どっちだよ」 苦笑まじりの声が頭上から降ってくる。 確かにそうだと思い私も笑ってしまった。
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