第3話

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◆◆◆◆◆ 店員さんに案内され、いつもと同じ席に座る。 外とは全然違う体感温度に全身から力が抜けていく。 イルミネーションに夢中になっていて気付かなかったけど外はかなり寒く私の身体は芯から冷え切っていたらしい。 ……ということに暖かい店内に入って改めて気付かされた。 注文したホットココアのカップで指先を温めながらも、私の視線の先にあるのはやっぱり窓から見えるイルミネーションだった。 駅前の広場は、流石にメイン会場なだけあってメインストリートの何倍もの光で溢れていた。 キラキラと輝くその光はどれだけ眺めていても飽きることはなく、私は時間が過ぎるのも忘れていた。 「美桜」 「なに?」 「そんなに気に入ったか?」 「うん」 「そうか」 蓮さんの満足そうな声にふと視線を移すとやっぱり声と同様に満足そうな表情があった。
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