第3話

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テーブルの上にある灰皿の上には数本の吸い殻が入っている。 ……あれ? いつの間にこんなに吸ったんだろ? 灰皿の中にある吸い殻は蓮さんが吸っている銘柄のもの。 ……そう言えば、手の中にあるカップもぬるくなっているような……。 恐る恐る店内にある時計に視線を移してみると 「……!?」 ……ここに来て1時間近くが経っていた。 「美桜、どうした?」 「ごめんなさい!!」 「は? なにが?」 「私ったらイルミネーションに夢中になりすぎて蓮さんの存在をすっかり忘れて……」 「へぇ~、俺は忘れられていたのか」 「え!? いや……そうじゃなくて……いや……そうなんだけど……でも……違 うくて……」 オロオロと言い訳にもならない言葉を並べていると 「別にいい」 蓮さんは苦笑気味に言った。
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