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「良かったな......」
真田がそっと笑った。
「何がだよ?」
「なんでもねー!!つーか腹減らね?飯食いいこーぜ!!」
「はぁ?」
「探しに行くんだろ!?」
「えっ......」
真田にはどうやらお見通しらしい。
「俺も会いてーしな。」
「.........」
その後本物の更科葉月の姿を見かけた。
バスケットリングを狙うギラギラした気迫は微塵も感じさせず、むしろ儚く壊れそうないでたちだった。
その姿になぜだか話しかけることができないでいた。
もうあの時の更科葉月ではないような気がして声を掛ける事自体憚れるようで。
やっぱり、更科葉月は遠い存在だった。
近くて遠い......
できるならもう一度あの日のように.........
<了>
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