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眉間にシワを寄せながら思いっ切り嫌悪感丸出しの私。
そんなのお構いなしで顔を覗き込んできた。
「っん。偉い!早速、講習受けたんだ」
教本の入った袋と一緒に抱き抱えていた原簿をスッと取り、中を開いて目を通す佐久間教官。
「寝なかった?」
視線だけを原簿から私に移し、目を細める。
まるで見透かされているようで、思わず視線をズラし素っ気なく応えた。
「ね、寝るワケないし」
「ふーん。だけど、ココ……」
"ココ"と云いながら指を伸ばして来たのが口許で、咄嗟に身を引き間合いをとって口許を拭う。
「……なぁんちゃって。
付いてないよ!取り敢えず『運転者の心得』の講習受けないと先に進めないんだ。
そんなに早く、僕と二人っきりになりたかった?」
原簿を「はい」と渡しながら笑顔でまたサラリとそんな事を云うこの人に、マトモな返事をするのが馬鹿馬鹿しく感じてくる。
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