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私は17歳。
高校生。
「向井桜(むかいさくら)ちゃん」
私の名を云いながら目の前に立つ優しく微笑む長身スーツ姿の男───‥‥
佐久間洋一(さくまよういち)
「僕が、君の初めてをこれから沢山奪う男だよ?」
ーーー違う。
単なる担当教官だ。
「……明日から宜しくお願いします」
ーーーまず初対面のウブな女子高生相手に、よく恥ずかし気も無くそんな胡散臭い言葉吐けるよな。
警戒気味に表情が強ばってるのが自分でもハッキリ分かる。
でもコイツ
あ、失礼……佐久間教官は、KYなのか怪訝な様子に全く動じる事無く私の手を握り締めブンブン振り始めた。
「やだなぁ。緊張してる?
そんなに固くならなくてもいいんだよ?
僕が守ってあげる。
君の傍から離れない」
ーーーそりゃ、そうだ。
教官なら助手席に座ったりするんでしょ?
……なんか、一語一句
誤解を招きそうな事しか口から出てこない。
無意識に深く長い溜め息をしながら、軽く頭を下げ掴まれたままの手を離す。
「早速だけど、メルアド教えて?」
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