第一段階

3/41
前へ
/430ページ
次へ
助手席から降車した佐久間教官は、運転席から降車した男子生徒と談笑しながら校内へ歩いている。 他の教習車から同じように他の教官と生徒の組合せが、続々と歩いて来てるが、佐久間教官はやはり容姿的にも一番目を惹いた。 ーーーっつか、誰にでも愛想のいい八方美人なだけじゃん。 フンと鼻を鳴らし、プイと窓から顔を背らした。 休み時間に入った校内は、色んな年齢層の人達が各々の目的地へ向かってる。 その波に飲まれるように階段を降りると、丁度佐久間教官が校内に入る姿が視界に入った。 ーーー無視、無視。 休み時間まであんなのと話してたら、苛々するだけじゃん。 そう思い咄嗟に視線を背らした時には、私を見付けて笑顔で歩いて来るのが分かった……。 ーーーまだ、言葉も交わしていないのに、なんとなくゲンナリ…… ,
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1003人が本棚に入れています
本棚に追加