第3話

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「もしも……」 「蒼空か!何で連絡してこない! 今までどこで何してたんだ! どれだけ心配したと思ってんだ!」 「……」 「おい、蒼空、聞いてんのか 今どこにいるんだ!」 「そんなに大きな声出さなくても聞こえてるって 今は家でもう寝るところ 今日はちょっと仕事が忙しくて携帯見る暇なかったの 途中で電池切れしちゃったみたいだし 今やっとひと息ついたとこだったの 連絡出来なくてごめんね 何か用事だった?」 兄の勢いに被せるように私も一気に淡々と話す 「そうか 無事ならいいんだ 連絡とれないから何かあったのかと兄ちゃん心配で心配で…… でも忙しくても一言でもいいからメールくらい入れてくれ 用は特にはないんだ 今度いつこっちに来るのかな?とか思ったから、つい連絡しちゃった」 つい連絡しちゃった……じゃないよ!28にもなって気持ち悪い 「じゃ、もう遅いから切るよ 夜更かししてないで早く寝るんだよ あと、こっち帰ってくる日決まったら教えてね おやすみ~」 そう、兄はかなりのシスコンなのだ 私が高校卒業して進学せずに就職して実家を出たのもこの兄の束縛から解放されたかったという理由もある
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